第9話が終わりました。
ネタバレですので、みたくない方はみないでくださいね!
第九話
枝川家
照がまきお嬢様がお待ちですと案内する。
宮崎工房
春子が招き猫を真剣に作っている。
宮崎が名前を何度も読んでいるのに真剣に作業をしていて返事をしない春子。
やっと気付き、びっくりしたなという春子。
お母さんに内緒の話があるという宮崎。
それはできないわという春子。
悪い話じゃないんだけどな。実はお茶碗作ってみたんだ。
でも、また失敗だったらお母さんに恥ずかしいと思って、内緒にして欲しかったんだという宮崎。
なるほどね。じゃいいよ。失敗だったら内緒にしてあげるという春子。
ありがとう。春子ちゃんは情けのわかる人だという宮崎。
春子。自分でいうのもなんだけど、義理人情には厚いからという。
笑う二人。
よし、あとで一緒に窯出しに行こうという宮崎。
枝川家。
昨日はすみませんでしたと謝る里子。
私の方こそ、感情的になってお恥ずかしい。気にしないでくださいねというまき。
私は、気にしていません。それより、娘さんのすみれさんには嫌われてしまいましたという里子。
すみれが何か?というまき。
私がまきさんを苦しめている。許せないと言われましたという里子。
すみれは、物心ついた時から、私の目となって私を支えてくれた。
何かあると、私を守ろうと過剰に反応してしまうのね。
そのことも許して下さいねというまき。
はいという里子。
昨日、主人に遠藤さんのことをお話したら、無二の親友になれるかもしれないと言われましたというまき。
そう言っていただいて光栄です。ご主人ってどんな方なんですか?という里子。
主人は、私と結婚する前までアメリカで生活していて、日本文化の研究をしていた。
枝川流の後援会の方の紹介で出会った。茶道を本当に愛してくれて、私と一緒に茶の湯の心を世界中に届けるのが使命だといっていますというまき。
素敵なご主人ですね。ぜひ一度お会いしたいわという里子。
ぜひ、会ってください。主人も楽しみにしていますというまき。
すみれさん、私立の小学校に通っているんですね?という里子。
私も通った学校です。
先生の話では、学校では本当にしっかりした子だと聞いています。
勉強だけでなく、絵を描くのが得意なんですって。私には見ることはできませんけど・・・・。
ごめんなさいね。いちいち気を使わせてしまって。気にしないでください。
目が見えないことは、私の個性だと思っていますからというまき。
そして、少しまってと出て行く。
枝川会館。
照が、アメリカから大田原様がお見えになりましたという。
剛太郎くんを紹介してくれた、後援会の大田原夫人のご主人かね?という大造。
はいという照。
なぜ、突然、大田原さま・・・・。といい、剛太郎がうつっている写真を隠す。
まき様の家元就任おめでとうございますと大田原が入ってくる。
もしかしてまきの就任パーティーのためにお越しいただいたのでしょうか?という大造。
もちろんですとも。まあ、他のビジネスの用事もあってという大田原。
世間話をする二人。
剛太郎くんはどちらですか?剛太郎くんにお会いしたいという大田原。
家にまだいると思う。連絡をとってみましょうか?という大造。
いえ、私も用事があるので、それにはおよびません。
まきさんの就任まで名古屋にいるので、よかったら近々みなさんと一緒にお食事でもどうでしょという大田原。
では、予定を調整して連絡をさせていただきますという大造。
大田原さんは帰る。
宮崎工房
宮崎は茶碗と取り出す。
枝川家
まきがこれをお見せしたかったと持ってくる。
これはすみれさんが描いた絵ですか?という里子。
よく描けていると学校の先生はおっしゃってくださったんですけど、私にはよくわからなくてというまき。
見たままを正直に言っていいですか?顔が描かれていませんという里子。
顔が描かれていない。やはりそう思うのね?というまき。
誰だかわからないんです。顔がないので。もしかしたらこういうデザインなのかもしれません。見たままを正直に言ってすみませんという里子。
そうよね。学校の先生はいい作品だとおっしゃってくださったのに、私は気になって、すみれに顔が描かれていないことをたづねたら、デザインだからと言われたんだけど、腑に落ちなくて、遠藤さんに母親としてどう思うか聞いてみたかったの。遠藤さんって何でも正直にお話になるのねというまき。
謝る里子に、謝ることない。信用できる人だって思うからと答える。
遠藤さん、ご主人を事故で亡くされたとおっしゃっていましたよね?
お子さんだけでも生きていてよかったわね。私、お母さんを事故でなくしているでしょ?
もし、あの時、私も一緒に死んでいたら、お父様は苦しんで苦しんで自分で命をたっていたかもと思う。
目が見えなくなっても、私だけでも生き残ってよかったってそう思うのよ。これが本当の気持ち。
もし事故の時に、娘さんも一緒になくなっていたらどうなさいますか?
私だったら、生きていけないわ。それぐらい子供の存在って大切な存在。
子供を亡くすことだけは絶対にしたくない。私は視力とお母様を亡くしたけど、これからは絶対に、愛する者を失ったりしないというまき。
まきさん、夫と子供を同時に失ったら、生きていけないっておっしゃいましたよね?
それでも、生きていかなければいけない人がいるって想像したことがありますか?という里子。
何をおっしゃるの?遠藤さんにはお子さんが生きてらっしゃるじゃないというまき。
すみませんと泣く里子。
遠藤さん、私に隠しているつらいことでもあるんじゃないですか?というまき。
いえ、私はまきさんとお話していて、悲劇のヒロインに憧れただけかも。
許してください。お詫びにきたつもりなのに、またまきさんを不愉快な気持ちにさせてしまってすみません。
こんな私でよかったら、まきさんがお話したくなったらまた連絡をくださいと紙を渡し帰る里子。
宮崎工房
茶碗をみて、駄目だと割る宮崎。
いきなり割るなんてもったいないよという春子。
春子ちゃん、これだけはごめんね。
陶芸家としては、自分を戒める意味でも自分の納得いかなものは割らないと仕方なんだよという宮崎。
わかった。陶芸家はつらいんだよね。
でもどれか一つくらい認められるものはないの?という春子。
残念ながら一つもないという宮崎。
ということは、全部割るの?という春子。
しかたないという宮崎。
わかった、じゃー私も手伝う。
これ、全部割っていいんですね?という春子。
ああという宮崎。
春子も駄目だといいながら割る。
少し楽しそう。
そこに里子が帰ってくる。
春子何やってるの?と怒る里子。
枝川家
大田原さんがきている。
まきがくる。
お邪魔しております、大田原ですという。
ようこそお越しいただきました。私、剛太郎さんの妻のまきです。
初めまして挨拶するまき。
突然訪ねてご迷惑じゃなかったですか?
この近くで会合が早く終わったので、連絡もせずに来てしまいましたという大田原。
剛太郎さんと私の縁を取り持ってくださった大田原様のおでを迷惑だなんてめっそうもない。
大歓迎ですというまき。
剛太郎さんは、御在宅では?という大田原。
あいにく、外出しておりますというまき。
そうですか、先ほど、枝川会館の方にもお邪魔したんですけど、そちらでも会うことができませんでしたという大田原。
会館にも・・・・というまき。
私は、一刻も早く、剛太郎くんにあって、取り戻したいものがあるんですという大田原。
取り戻したいものとは?と聞くまき。
それは、直接、剛太郎くんに会ったときにお話させていただきますという大田原。
それは、大田原様にとって、大切なものなのですか?ときくまき。
非常に大切なものですという大田原。
わかりましたというまき。
宮崎工房
宮崎先生、器作りにチャレンジする気になったんですねという里子。
友人が窯をたきあげるって聞いて、いくつか作ってみたんですけど、全部駄目でしたという宮崎。
何が悪いのかわからないという春子。
お母さんにも何がいい作品なんだか分かんない。でも宮崎先生には、いい作品と悪い作品の境目がある。そうですよね?という里子。
はい。どんなに落ち込んでも、自分が追求する作品に出合うまでは、絶対に妥協できない。
もしそこで、妥協してしまったらおしまいですという宮崎。
本当に陶芸家は大変だという春子。
枝川会館
剛太郎が帰ってくる。
私に、至急ロンドン出張をお命じくださいという剛太郎。
何かあったのかね?という大造。
ヨーロッパの枝川会に不明な会計処理があることがわかりましたという剛太郎。
不正会計か。支部の責任者が対応できないのかね?という大造。
その責任者が先頭にたって悪事を行っているようなんですという剛太郎。
うーん。じゃあ悪いが剛太郎くん、至急ロンドンに飛んでくれたまえという大造。
承知しました。すぐにという剛太郎。
ああ、それと剛太郎くん。いまだに過去の記憶は戻らないのかね?
いや、実はアメリカから君とまきの結婚の仲介をしてくれた、後援会の大田原夫人のご主人がおみえになっているのだ。大田原さんと聞いて、何か思い出さないかね?という大造。
大田原さん・・・・・残念ながら何も思い出せませんという剛太郎。
そっか。いやそうだろうな。大田原さんには君が10年前以前の記憶がないとまだお話していないのだ。
私から話しておこうという大造。
お手数をおかけしますという剛太郎。
君のせいじゃないんだ。あれは事故だったんだという大造。
枝川家
夕食を食べている。
そいういえば今日、大田原さんがおみえになりましたというまき。
うちにまでお見えになったのか?という大造。
近くの会合が早くに終わったからとかで、会館の方にもお見えんになったんですってねというまき。
大田原さんってどんな方ですか?ときくすみれ。
お父様とお母様の結婚を仲介してくれた方のご主人なんだよという剛太郎。
では、その方がいなければ、すみれは生まれていなかったのかもしれないんですわね。おじいさまというすみれ。
ま、そうなるかなという大造。
その方にお会いしたいというすみれ。
大田原さま、剛太郎さんにお会いして、取り戻したいものがあると言ってましたというまき。
何だね?取り戻したいものってと聞く大造。
剛太郎さんにお会いして、直接お話したいとのことでしたというまき。
そうですか。私も大田原さんにお会いして直接そのお話をお伺いしたいのですが、私は急な出張でロンドンにいかなければいけないんですとう剛太郎。
ロンドンにご出張ですか?というまき。
ホテルと飛行機の手配が整い次第いく予定ですという剛太郎。
大田原さまにお会いしてからにはできないのでしょうか?というまき。
そうですね。急ぐ仕事なので。ですが、少し調整してみますという剛太郎。
お願いいたしますというまき。
照がくる。
家元大変です。
枝川流、葉山流の春の合同茶会でお配りするお土産物が、葉山流のミスで発注されておりませんでした。発注先の工房に問い合わせてみましたが、今からでは無理だと断られてしまいましたという照。
常滑焼の手作りの陶器にすると決めてあれほど念をおしたのに。それでも注文を忘れるとはという大造。
葉山流の例の嫌がらせですという剛太郎。
剛太郎くん、どっか当てはないかね?という大造。
今から手作りのオリジナルの置物100個を注文できるところとなると、心当たりはございませんが、事務方にいって探させますという剛太郎。
枝川流として、恥ずかしくないものを注文できる工房だという大造。
わかりません。でも調べてみますという剛太郎。
私に、心当たりがございます。宮崎工房です。あそこの招き猫は手作りで本当に可愛いものだと思いますというまき。
剛太郎くんはどう思うという大造。
まきさんがそうおっしゃるなら、私は賛成ですという剛太郎。
そうか。それじゃあ、悪いが至急手配してくれという大造。
はい分かりましたという剛太郎。
私が、頼みに参りますというまき。
まきがか?という大造。
宮崎工房さんにとっても、きっと無理な注文に違いありません。
ですから、私がいって頼んでまいりますというまき。
そうか、そりゃそうだな。そうしてもらおうかという大造。
順子の店。
チャイムがなる。
まきとすみれがいる。
いらっしゃいませ。お二人さまですか?ときく順子。
こちらに遠藤さんはいらっしゃいますか?と聞くまき。
遠藤?ああ。はい中へどうぞという順子。
事情はわかりました。招き猫100個がどれぐらいでできるか私にはわかりませんが、お急ぎでしょうから、今から宮崎工房に向かいましょうという里子。
夜分にすみませんというまき。
いいえ。困った時はお互いさまですといい、支度してと春子にいう里子。
すみれの顔は、怖い。
宮崎工房。
えっ?手作りの招き猫100個?で、納期はいつなんですか?という宮崎。
9日後ですというまき。
9日。それじゃ、とても間に合いませんという宮崎。
先生、何とかならないんですか?という里子。
今日はここまでです。
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感想
目が見えないのに、宮崎工房の招き猫は可愛いとなぜ分かったんだろう・・・とちょっと疑問に思いましたが、気にしちゃ駄目ですね。
そして、大田原さんが剛太郎に返して欲しいものって何でしょう。
最初は、借金があるって言ってたし、お金??と思いましたが、何か大切なものという表現が違うような・・・・。
大造は、こんな状況でも、全く動揺もしないのがさすがです。
次回予告
宮崎は、招き猫作りを引き受けるようです。
でも、とても間に合わないので、里子、春子、まき、すみれも手伝いをする様子。
目が見えないまきに、気を使うみんな。
それをみて、すみれは怒るようですね。
そして、剛太郎は大田原と会うようです。
大田原は、剛太郎くん、顔・・・・という予告も。
大造は腹をくくって会わせるようですが、意外と、顔やせたね・・・とかばれずに終わったりして?
そんな大きな展開があるような感じには思えなかったんどえすが、どうなるのでしょうか?